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神経症とはなにか

神経症とはなにか。
ものすごく簡単にいうと、「葛藤の状態」です。
あることを感じる、思う、それに対して、「感じまい」「思うまい」
という反抗をすることが神経症成立の条件です。

それなりの理由があって、あることを感じます。
なので、どうしても感じてしまう。思ってしまう。

そこを理屈で「それはおかしい」とか「心配しすぎている」と、あたまを働かして
「感じることをやめようとする」

しかし「どうしても感じてしまう」ものだから、消えない。
ますます消そうとする。どうしても消えない。

これが神経症です。
「思う心」と「思うまいとする心」の戦闘状態です。

その「無駄な戦い」が生む、独特の苦しさが、神経症の辛さです。
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不安と、不安ではいけない、という心が同時に起こっている。

神経症の人は、よく「不安だ」「〜が怖い」などとうったえます。

森田療法では、不安をそのままに、などといいますが、その意味では、彼らは、
たしかに自分が不安の中にいる、ということを一見とらえているようにみえます。

彼ら自身も、「不安は認めていると思うけど…」などと語ります。そのあとには、
「でも、森田やってもうまくいかないんだよなあ…」などという述懐がつづくのでしょう。

しかし、不安をうったえる態度の中に、「不安はいけないものだ」といったような価値観がひそんでいることには、なかなか気がつきにくいようです。
これが、森田が神経症成立の必須条件とした、「思想の矛盾」「悪智」です。

神経症者は、不安を感じているだけでなく、ほぼ同時に、その不安はいけないものだとの考えから、その不安に対してふんばっているのです。
実は、「不安を認め」てなどはいないのです。
(本当に認めきっていることは、かえって日常生活の四六時中、意識しないものです。)
つまり、「思想の矛盾」が、不安と同時に起こっているのです。

問題は、「思想の矛盾」は神経症者のばあい、不安の発生とセットになっているので、意識しにくいということです。
しかし「思想の矛盾」の打破がなされないかぎり、実は神経症の治癒はありません。